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《遺言書がある場合》に抑えておきたい遺産相続の基本や遺産分割協議に関して

遺産相続に関わりのある方にとっては、故人が遺言書を生前作成していたかどうかによってその後の手続きが大きく変わってきます。そのため、遺言書を見つけたときのために正しい取扱い方法を知っておく必要がありますし、今回ご紹介するような「遺言書がある場合の遺産相続の基本」についてもよく把握しておくことが大切になります。

それでは早速、遺言書がある場合に抑えておきたい遺産相続の基本や遺産分割協議に関することを以下でいくつか見ていきましょう。

 

遺言書がある場合の遺産相続について

遺言書の有無によって、遺産相続の手続きが大きく異なります。遺言書を作成する方は、作成した遺言書が確実に遺族の手元に渡るように、遺言書の有無を事前に伝えておくことも大切です。

 

遺言書を見つけたら検認手続きをする

被相続人が亡くなると同時に、相続が発生します。その際に、遺言書がある場合、又は見つけた場合には、原則として遺言内容に従って遺産相続を行います。

遺言書の種類により開封方法が異なるため、公正証書遺言書以外の遺言書は勝手に開封することがないように気をつけましょう。勝手に開封することができない遺言書に関しては、「検認」の手続きを経て開封することができるようになります。

 

遺言執行者が指定されているかを確認する

a.遺言執行者が指定されている

検認手続きを経て遺言書を開封すると、遺言内容に「遺言執行者」が指定されていることがあります。遺言執行者が指定されている場合には、遺言執行者が内容に従って遺言を執行します。遺言執行者に指定された人は遺言を執行するための権限を持っています。そのため、遺言内容に従い名義変更の手続きなどをする際には、相続人の許可をとる必要はありません。

 

b.遺言執行者が指定されていない

開封した遺言書の内容に遺言執行者が指定されていない場合には、執行人を選任するか、法定相続人全員で協議を行ったうえで遺言を執行するようになります。

 

 

遺言書があっても遺産分割協議をするケースとは?

「遺言書があれば、記された内容に従い遺言を執行すれば大丈夫?」と思われがちですが、場合によっては「遺言書があっても遺産分割協議をするケース」があることを覚えておきましょう。

 

遺言内容が特定の財産に限定されている場合

遺言書に記された内容に、「妻に不動産は相続させる」、「子供に自動車を相続させる」といったように特定の財産に限定されている場合は、遺言書があっても「遺産分割協議」をすることがあります。

その理由は、不動産や自動車以外の財産に関しては、誰にどのくらい相続させるかが具体的に記されていないからです。この場合は、遺産分割協議をもって相続の割合を決める必要があります。

 

遺言書と異なる遺品分割協議

相続人全員の同意を得ることができれば、遺言書に記されていた内容とは異なる遺品分割を遺品分割協議にて成立させることが可能です。

たとえば、遺言の内容に「妻に不動産、子に預金を相続させる」と具体的に記載されていた場合であっても、相続人全員の同意を得られれば「妻に預金を、子に不動産を相続させる」といったように遺言書とは異なる遺産分割協議をすることができます。

 

 


まとめ

相続人だからといって遺言書を勝手に開封することができませんし、偶然遺言書を見つけたら検認手続きが必要になります。遺言書に記された内容が原則優先されることが分かりましたが、中には遺言書があっても場合によっては今回ご紹介したように遺産分割協議を行うケースもあることを覚えておきましょう。

遺産相続や遺言書、遺産分割協議など、むずかしい言葉ばかりが並んでよく分からないということもありますが、そういった場合には専門化に相談したり、これらの作業に詳しい相手にサポートしてもらったりという方法をとるのも一つの選択肢です。