遺品整理では、遺品の仕分けや片付けや処分、形見分け、相続財産の特定といったことが先にイメージされることが多いですが、実際にはこのほかにもやらなければならない「事務手続き」が数多くあることを覚えておきましょう。
事務手続きのなかには、以下でご紹介するように「期限が決められている」手続きも多いことから、どれも忘れることなく一つずつ着実に手続きを進めていくことが大切になります。
年金関連の手続き
故人が国民年金や厚生年金の受給者であった場合、市区町村の国民年金課、又は社会保険事務所にて「年金受給の停止手続き」をしなければなりません。
届け出に必要な書類は年金証書(年金手帳)や年金受給権者死亡届です。尚、「国内年金は亡くなった日から14日以内」、「そのほかの年金は亡くなった日から10日以内」に必要書類を提出しなければなりません。
《注意》手続き方法や期限が変更になることがあります。詳しくは国民年金課や社会保険事務所などにお問い合わせください。
保険関連の手続き
故人が生命保険などに加入していた場合は、「生命保険の死亡保険金請求」を行います。
民間の生命保険をはじめ、かんぽ生命や団体生命保険などがあるため、遺品整理をする際には故人が加入していた各種保険の有無を確認することが先決です。
死亡保険金請求書は「亡くなられた日から法律では2年以内」、「保険会社によっては3年以内」に請求手続きは行う必要があります。
《注意》保険会社によって必要書類や請求先が異なるため、詳しくは保険会社や代理店、勤務先などにお問合せください。
納税関連の手続き
「納税関連の手続き」として、所得税の確定申告や住民税や固定資産税などの支払いがあります。
所得税の手続きに関しては、原則として故人が勤めていた会社で源泉徴収していた場合には必要ありません。しかし、故人が自ら確定申告を行っていた場合には、「亡くなられた日から4か月以内」に確定申告を済まさなければなりません。
また、住民税や固定資産税に関しては相続財産として「相続人に支払いの義務」が生じます。
不動産の固定資産税を相続した場合には、高額な固定資産税を支払いたくないという方もいるでしょう。そういったケースでは、相続した不動産を早めに売却するなどして支払いを回避するといった方法もあります。
公共料金の解約手続きを行う
電気料金や水道料金、ガス料金などの公共料金の支払い方法が、故人の金融機関口座からの引き落としになっているような場合には早急に解約、又は契約者の変更手続きをしましょう。
契約をそのままにしていると請求が発生し、口座が凍結している状態だと引き落としができず未払いとなり利用を停止されてしまう可能性があります。
各公共料金のカスタマーセンターに電話をして契約者が亡くなったことを伝えると、払込用紙を送付してくれるため、銀行やコンビニなどで支払いができるようになります。
まとめ
遺品整理をしていると、今回ご紹介したこれらの事務手続きのほかにも早めに手続きが必要になるものを発見することがあります。どの手続きを優先するかといったことは、ノートにまとめておくことで手続きのし忘れを回避することができるでしょう。