故人が亡くなられ、さらに孤独死であった場合には「特殊清掃業者」に依頼をして住宅や部屋を原状回復してもらう必要があります。
業者には、特殊清掃のほか遺品整理も同時にお願いすることができることから、ここ数年で非常に需要が高まっているサービスです。
以下では、実際に特殊清掃業者に特殊清掃を行ってもらうまでの主な流れについてまとめています。
目次
(1)孤独死があったことを警察へ連絡
孤独死を発見したときには、ただちに「警察に報告」をします。
死臭を感じた近隣の住人から不動産、または大家さんに連絡が入り孤独死が発覚することもあれば、親族が故人の家に立ち寄ったときに発見するなどさまざまです。
遺体を発見した場合には必ず警察に連絡をし、その後の流れについて指示を仰ぎます。孤独死を発見した方が遺族や他人であった場合でも、必ず警察に報告する義務があります。
(2)警察から連帯保証人に連絡が入る
孤独死の連絡を受けた警察は故人が亡くなられた原因が病死であるのか、それとも自殺や他殺であるのかといった事件性の有無などを現場検証します。
死因が特定されるまでは現場の状態はそのままにして、警察の許可なく遺品整理をするようなことがないように気をつけましょう。
警察から連絡を受けた不動産屋や大家さんからは、故人の「連帯保証人になっている方に連絡」が入ります。
ご自身が連帯保証人になっていると分かっている場合には、この時点で特殊清掃業者に問合せをして特殊清掃を依頼するつもりであることを伝えておくといいでしょう。
(3)警察に許可を得て特殊清掃業者に依頼をする
「警察から許可を得たあとは、特殊清掃業者に正式な依頼」をします。
特殊清掃サービスに関しては特殊清掃を専門にしている業者に依頼することが望ましいでしょう。遺品整理業者が依頼を受付けることもありますが、遺品の整理や片付け、そして遺品回収などが主なサービスであるため、特殊清掃に関しては別途手配が必要になります。
(4)見積もりを受ける
業者に特殊清掃を依頼すると孤独死があった現場を担当者が訪れ、現場の状態や遺品の量などをもとに「見積もり」を作成します。
亡くなられてから長い時間が経過しているケースでは死臭や体液などが部屋に多数付着していることがあるため、高額な費用がかかることがあります。また、床下まで体液が浸み込んでしまい床を取り壊して大々的なリフォームが必要になるようなケースでは、別途追加料金がかかることがあるため、追加料金の有無などを事前に業者に確認しておきましょう。
(5)作業日当日は特殊清掃と遺品整理
特殊清掃の作業日当日は作業員が住宅に入り、除菌や消臭効果のある強力な消毒液や特殊な道具を使用して、死臭や体液などの汚れを丁寧に落とします。
ひどい状態のときには、清掃作業に数日かかることがあります。見積もりを受ける際には、作業にかかる大まかな時間や日数なども確認しておくと良いでしょう。
汚れの度合いによっては先に「特殊清掃」を行うこともありますが、遺品の量が多い場合には「遺品整理」を先にすることもあります。特殊清掃業者には、特殊清掃のほか遺品整理も同時に依頼することができます。
(6)作業完了
すべての「作業が完了」したあとは依頼主や遺族の立ち会いのもと確認作業が行われます。作業後に汚れや臭いが気になるところがあれば、その場で担当者に伝えて何かしらの対処をしてもらうようにしましょう。
まとめ
特殊清掃は自分には関係のないことと決めつけるのではなく、いざという時でも適切な手順が踏めるように今回ご紹介したような内容を中心に抑えておくといいでしょう。また、一般的な遺品整理とは異なり警察への連絡が必要になるのが特殊案件の特徴であることから、万が一こういった状況が生じたときにはむやみに現場を片づけたり、掃除をしたりといったことがないように気をつけましょう。