賃貸住宅の遺品整理に関わる「賃貸オーナー向けの保険」があることをご存知でしょうか。
「孤独死」が社会問題になっていることを受け、賃貸マンションやアパートのオーナーを対象に孤独死に対応できる保険や特約が発売されているので。
孤独死という問題はだれもが無視できない問題ではありますが、このような保険に加入しておくと万が一のときにも安心ですし、焦らず適切な対応をすることができるでしょう。
賃貸オーナーを悩ます入居者の孤独死
近年、賃貸住宅のオーナーが頭を悩ませている問題が入居者の「孤独死」についてです。身寄りのない入居者の遺品整理や原状回復に関しては、だれがどのようにして対処するようになるのでしょうか。
増え続ける「孤独死」とは？
少子高齢化や核家族化が進む一方で「孤独死」が増加しています。
孤独死があった場合は事件性がないと分かると同時に、遺族や保証人が遺品整理や原状回復を明け渡し期日までに行うのが通常の流れです。しかし、ここで問題になるのが孤独死された入居者に「身寄りがない」といったケースです。このような場合は、だれが遺品整理や原状回復を行って、だれが費用を負担しなければならないのでしょうか。
遺品整理費用の請求先
孤独死が起きた賃貸住宅は死臭や体液などの漏れが発生している場合も多く、大規模なリフォームや壁の張替えなどが必要となります。そのため、業者に依頼した際の費用はかなり高額になりますし、だれかがその費用を支払わなければならなくなるのです。
滞納している家賃に関しては、通常であれば賃貸オーナーから相続人や連帯保証人に請求することができます。しかし、原状回復のガイドラインによれば、原状回復にかかるすべての費用を相続人や連帯保証人に請求することは難しいとされているのです。
遺品整理や原状回復にかかる費用を相続人や連帯保証人に請求できないとなれば、賃貸オーナーが責任を負うことになります。最近は賃貸オーナーがこのような事態に巻き込まれることも少なくないため、万が一の孤独死リスクに備えて「賃貸オーナーができる対策」についてよく考えておく必要があるのです。
賃貸オーナーができる対策
近年注目されている賃貸オーナーができる対策として「賃貸オーナー向けの保険」が注目されています。
保険会社により販売している保険の種類は異なりますが、火災保険の特約として死亡事故が起きたときに保険金が支払われるケースがあります。これらの保険金は死亡事故が原因で発生した遺品整理費用や葬祭費用、特殊清掃費用などに対して支払われことがあります。
※保険会社によって保険適用範囲や保険金額などが異なりますので、詳しくは保険会社にお問い合わせください。
まとめ
少額・短期で加入可能な保険を取扱う「少額短期保険会社」でも、「孤独死」に対応する保険の提供をしています。高齢単身者は今後も増加することが予想されていますので、孤独死を減らすための取り組みも重要課題として残っています。そのような課題に対して対策を練ることはもちろんのこと、今回ご紹介した「賃貸オーナー向けの保険」に加入してさまざまなリスクに備えた対策をとることが今後はさらに必要になってくるでしょう。