遺品を家のなかに放置することで起こりうる4つのトラブル
故人が亡くなり、その後遺族や関係者が遺品整理を行うのが一般的な流れですが、ときに遺品整理がされることなく長期間にわたり家のなかに遺品が放置されてしまうということがあります。
そこで今回は、このような遺品を放置することがマイナスな理由、そしてよくあるトラブルについていくつかご紹介します。
トラブル(1)害虫が発生している危険性
遺品をそのままにしている家や部屋は窓やドアを閉め切っていることが多いことから、「害虫が発生している危険性」があります。
遺品が残された家がゴミ屋敷化しているときには害虫が発生しやすい状況ができあがっているため、害虫が発生する可能性はほかの家にくらべて非常に高いといえるでしょう。
不用品だからと放置したことが原因で害虫が発生してしまえば、家の構造自体を大きく傷めてしまう危険性があります。そのため、故人が亡くなられたあとにだれも住む人がいないような場合には、早いうちに遺品整理を行うか、もしくは遺品整理業者に依頼して遺品整理をしてもらうようにしましょう。
トラブル(2)火災に発展する危険性
大量に積まれた遺品を残しておくと「火災に発展する危険性」が高まります。
ゴミやホコリが溜まってしまい、火が引火しやすい状態になっていることが火災の大きな原因の一つです。また、長いあいだ誰も住んでいないような住宅は放火魔のターゲットになりやすく、大きな火災をもたらす危険性があります。
そのうち時間を見つけて遺品整理をしようと考えていた矢先に火災が起きてしまい、周辺の住宅に多大な迷惑をかけないとも言い切れません。
トラブル(3)賃貸の場合は部屋の明け渡しをする必要がある
故人が賃貸マンションやアパートに暮らしていた場合は、期限までに「部屋の明け渡しをする」必要があります。そのため、遺族や連帯保証人の一存で数年後まで遺品整理を引き延ばすことはできず、貸主である大家さんに催促された明け渡し期限までに遺品整理をしなければなりません。
賃貸契約書に記載された期限までに明渡しがなされないと、期限を過ぎたことへの「損害賠償請求」が発生する可能性もあるため注意しましょう。
トラブル(4)デジタル遺品が招くトラブル
近年、遺品整理に関する用語で「デジタル遺品」という言葉があります。
デジタル遺品とは、故人が遺したパソコンや携帯電話、スマートフォンなどの電子機器のほか、デジタルカメラで撮影した写真や動画、インターネットサイトの会員情報、ソーシャルネットワーク(SNS)のアカウント、ネットバンキングなどのことを指します。
デジタル遺品は、電子機器のように手に取れるものもありますが、中にはパソコンのハードディスク内や外部のサーバーにインターネット上のクラウドサイトなどに写真や動画、そのほかの個人情報データを保存していることがあります。このようなデジタル遺品を放置しているとハッキングされたことが原因で、アカウントや情報が流出してしまう可能性があるため非常に危険です。
ネットバンキングのような金融機関口座は通常の手続きと同じように故人が亡くなったことを金融機関側に伝える必要があります。また、SNSのアカウントは故人が亡くなったことを告知することで、アカウントを削除することができます。
ついつい目に見える遺品だけに目が行ってしまいがちですが、今ではこのようなデジタル遺品の整理も確実に必要になってくることも覚えておきましょう。
まとめ
故人が遺した遺品を長期間放置してしまうと、今回ご紹介したようなトラブルに見舞われるリスクが高まります。亡くなられた故人のためにも、そして残された遺族のためにも遺品の整理は計画的に進めて、必要であれば遺品を供養するなどしてきちんと整理をするようにしましょう。