遺品整理における「遺産分割協議」の進め方や遺産分割協議書の作成方法
被相続人が亡くなり遺産相続が発生したときに遺言書がない場合には、「遺産分割協議」を行う必要があります。
ここでは、「遺産分割協議の基本や進め方」、さらには「遺産分割協議書の作成方法」についてご紹介します。遺産分割協議が成立する場合と成立しなかった場合では、進め方にも違いが生じてくるため今回まとめている内容はぜひ抑えておきたいところです。
遺産分割協議の基本
遺言書がある場合は、遺言書に記された内容に従い遺言を執行するため、比較的スムーズに相続手続きを進めることができます。その一方で、「遺言書がない場合」であれば「遺産分割協議」を行い相続の割合を決定する必要があることから、相続人同士のあいだで遺産相続関連のトラブルが発生しやすくなります。
故人が遺言書を残していなかった場合には、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。協議の内容によっては円滑に手続きが進められますが、場合によっては協議がまとまらず成立までに長い時間を要することもあります。
遺産分割協議とは?
相続が発生した際に遺言書がない場合は、誰がどのくらいの配分で遺産を相続するかを相続人全員で具体的に話し合う必要があります。これを「遺産分割協議」といいます。
遺産分割協議を行い相続人全員の同意が得られれば、「遺産分割協議書」が作成して相続人全員の署名と押印をします。
遺産分割協議の進め方
遺産分割協議を進めるにあたり、何時いつまでに終わらせるという期限はありません。そのため、戸籍謄本などをもとに相続人を確定させてから、協議に行う必要があります。
後々になって相続人がもう一人いたとなれば、遺産分割協議をやり直さなければなりません。以下は、協議が成立した場合と不成立だった場合の「遺産分割協議の進め方」についてです。
《遺産分割協議が成立した場合》
①相続の発生
②遺言書の有無を確認
③相続人の確定
④相続剤際の調査・確定
⑤遺産分割協議を行う
⑥遺産分割協議が成立する
⑦遺産分割協議書を作成する
《遺産分割協議が不成立の場合》
①相続の発生
②遺言書の有無を確認
③相続人の確定
④相続剤際の調査・確定
⑤遺産分割協議を行う
⑥遺産分割協議が不成立
⑦遺産分割の調停
⑧調停の成立または不成立
※調停が不成立になった場合は、「遺産分割の審判」に移行されます。
※審判に不服の場合は最終的に、「高等裁判所の審理」に委ねます。
遺産分割協議書の作成方法について
遺産分割協議が成立したあとに作成するのが「遺産分割協議書」です。
作成することが義務付けられた書類ではありませんが、あとになって「言った」、「言わない」などのトラブルにつながる可能性もあるため、作成しておいたほうが良い書類といえます。
遺産分割協議書に書くときのポイント
遺産分割協議書の作成は法律上では義務付けられていないことから、書き方の指定はありません。しかし、後日トラブルが発生しないように、だれが読んでも分かりやすく明確に書かれた遺産分割協議書を作成することが大切です。
以下は、遺産分割協議書に書き方の主なポイントについてです。尚、遺産分割協議書は手書き、又はパソコンで作成することができます。
- 被相続人の氏名や住所のほか、生年月日、死亡年月日など、被相続人の表示を記載します。
- 相続人全員(相続放棄を行う人も含める)の氏名や住所など、相続人全員の表示を記載します。
- 遺産分割協議を行い成立した旨などを記載します。
- 相続人全員の署名や捺印(実印)が必要です。
- 処分品などを詳しく記載します。
- 不動産は相続財産の登記簿謄本や権利証の表示を正確に記載します。
- 自動車は登録証の表示を正確に記載します。
- 銀行などの相続財産の表示は、支店名や口座番号を正確に記載します。
まとめ
遺産を相続する権利のある相続人の人数が多いほど、遺産分割協議をスムーズに進めることが難しくなってきます。そのような状況では、早いうちに遺産相続や協議に必要な情報の調査や、進行役を専門家に依頼すると安心ですし頼りになります。