はじめて遺品整理をするという方にとっては、故人の遺品に関わる整理や仕分け、処分など何もかもはじめてのことで戸惑ってしまうこともあるでしょう。
そこで今回は、「遺品整理」や「遺品整理業者」に関して「よくあるQ&A」を一挙まとめてみました。ちょっとしたことだけどやっぱり気になる・・・、といったことも多いので初心者の方はぜひ一度読んでみてください。
遺品整理のよくあるQ&A(業者依頼編)
遺品整理にするにあたり遺品整理業者に依頼できる内容や依頼方法、見積もり方法などに関する疑問点をピックアップしています。尚、業者によってサービス内容やサービス名などが異なるため、詳しくは各業者に一度お問い合わせください。
Q.遺品整理業者の一括見積もりサイトってなに?
A.複数の遺品整理業者から一括で見積もりを取り寄せられるWeb上のサイトのことです。
遺品整理サービスの需要が高まるにつれ、遺品整理業者の数は増え続けています。たくさんある業者の中から一つだけに絞るということは結構難しいのですが、一括見積もりサイトといった便利なサービスを利用することで簡単に業者から見積もりを取り寄せることができるようになります。
一括見積もりサイトは全国各地からいつでも利用ができるので、時間があまりない人にとっても効率よく業者選びができて非常に便利です。サービス内容やセットプランなどの違いで業者ごとに料金に大きな差が生じるため、複数社の見積もりを比較検討するためには一括見積もりサイトの利用がおすすめです。
Q.遺品整理業者の取り扱うサービスの内容は?
A.遺品の仕分けや片付け、貴重品の捜索、遺品の供養、遺品整理後の清掃などです。
このほか、遺品整理業者によっては、ほかの業者と委託して不用品の回収や買取サービスなどを受付けていることがあります。また、生前整理や引越しサポート、ハウスクリーニング、ゴミ屋敷の整理や片付けなど、遺品整理に限らず幅広いサービスを展開している業者もあります。
Q.見積もりは無料?電話やメールでの依頼は?
A.遺品整理業者の多くが「ご相談や見積もりを無料」としています。
遺品整理の見積もりは遺品整理をする現場に担当者が訪問をして見積もりを作成することもあれば、家や部屋の広さや遺品の数、現場の状況、掃除やリフォームの必要性などをヒアリングしたのちに見積もりをすることがあります。
一般的に見積もりを依頼するときは電話やメールにて問合せを行い、見積もり調査のための訪問日時を担当者と打ち合わせして見積もり依頼が完了となります。
Q.近くに住んでいないけど依頼はできる?
A.受付け可能な場合もありますが、事前に各業者にご確認ください。
遺品整理が必要な現場の近くに暮らしていない依頼主も多いようです。業者によっては、依頼者が近くに住んでいなくても依頼を受付けていることもありますが、そういった場合には「委任状」や」鍵」などを業者が預かって作業を進めるようになります。
依頼者の立ち会わないケースでは、業者が作業のようすを写真に撮って見せてくれたり、随時連絡を入れてくれたりと依頼主不在でのサポートが充実しています。
Q.神棚や仏壇の処分を代行してもらえる?
A.仏壇の魂抜きやお焚き上げ、神棚は神社に返納する必要があります。
神棚や仏壇などの宗教関連の遺品は簡単に処分できるものではありません。そのため、遺品整理業者のなかには遺品の供養に限らず、「仏壇の魂抜きやお焚き上げする」、「神棚を神社に返納する」といった代行業務も取り扱っている業者があります。
Q.予約はいつまでできる?即日対応はある?
A.予約期限は業者により大きく異なりますが、即日対応可能な業者もあります。
遺品整理業者によっては作業当日の数日前までの予約が必要な場合もありますし、即日対応可能な業者もあります。即日対応は不可としている業者でも予約状況によってはその日に対応をしてくれることもあるため、一度問い合わせみましょう。
Q.休日に作業してもらえる?
A.遺品整理業者は休日の作業を受付けている業者がほとんどです。
遺品整理サービスは一般的には日付指定のほか、時間の指定などを依頼者の要望に合わせることができます。尚、状況によっては夜間の作業にも対応している業者もあるため、見積もりを依頼するまえに確認しておくと安心です。
Q.遺品整理業者と不用品回収業者の違い
A.対応の仕方が大きく異なります。
遺品整理業者と不用品回収業者はサービス内容が違うともいえますが、遺品に関する対応の仕方が大きく異なります。
遺品整理業者は遺品を必要なものや残すもの、必要なく処分するものと分ける作業を行います。処分する遺品も慎重に取り扱ってくれますし、依頼者が希望すれば供養をすることもあります。
一方で、不用品回収業者は不用品を必要のないものだと判断することから、雑な扱いになることがあります。また、不用品回収業者は供養の代行も行っていません。
一つ一つの遺品を丁寧に扱って遺品整理をしてもらえるという点では、遺品整理業者に遺品整理を依頼することが望ましいといえるでしょう。
遺品整理のよくあるQ&A(業者作業編)
遺品整理業者に遺品整理を依頼して作業してもらうときに知っておきたい豆知識や、小さな疑問をピックアップしています。遺品整理を依頼する住宅やそのときの状況などによって状況が異なりますので、詳しい内容は各業者にお問い合わせください。
Q.遺品整理中に発見した遺言書はどうする?
A.開封せずに法律相談所などに相談しましょう。
遺品整理中に故人の「遺言書」を見つけたら中に何と書いてあるのか気になって開けたくなりますが、「絶対に開封してはいけません」!
万が一開けてしまうと相続の権利を失う、さらには罰金(5万円以下)の罪に問われてしまいます。遺言書を見つけた場合は、まず法律相談所等に相談したうえで今後の手続きの指示を仰ぎましょう。
とくに、「封印がある遺言書」については家庭裁判所で相続人や代理人立ち会いのもと開封する必要があります。遺言書は故人以外の人が勝手に処分をしたり、遺品整理業者に処理を頼んだりすることはできないため、できるだけ早めに法律の専門家に相談するようにしましょう。
Q.遺品整理サービスは何名のスタッフで作業をする?
A.住宅の間取りや状態、遺品の数などによって、スタッフの人数は変わります。
たとえば、1LDKの間取りで遺品の量がそれほど多くないときには、1名のスタッフだけでも十分遺品の仕分けができる場合があります。
ただし、家具や電化製品の買取りや回収作業があるような案件は、住宅から遺品を運び出したり、運搬車に積み込んだりする作業が必要になるため、作業員が2名~4名になることもあります。
そのほか、2LDK 以上の間取りや一戸建て住宅の場合は、遺品の仕分け作業に2~3名ほど、運搬作業が必要になれば5名以上のスタッフが作業を担当することもあります。
Q.遺品整理にかかる作業時間はどれくらい?
A.通常は半日から1日ほどで作業が完了します。
遺品整理業者から派遣されてくるスタッフの人数は住宅の間取りや状態、遺品の数などで変動しますが、それと同じく「遺品整理にかかる作業時間」も状況によって変動します。
一般的には、遺品の整理や仕分け、買取、回収、清掃などを、半日から1日で完了することが多いようです。しかし、故人が暮らしていた家が大きくて、遺品の数も相当な量があるときには数日~1週間ほどかけて作業を行うこともあるようです。
遺品整理業者に見積もり依頼をするときは、事前におおよその作業時間なども確認しておくようにしましょう。
Q.作業時の立ち会いは必要?
A.その答えは「イエス」でもあり、「ノー」でもあります。
多くの遺品整理業者が「当日の作業前と作業後だけは立ち会いが必要」としています。その場合は、作業前後だけ立ち会いをして打ち合わせをすれば、そのあとは作業が終わるまで外出が可能なようです。
立ち会いをせずに外出をする場合は、捨てられては困るものは事前に避けておくようにしましょう。処分されたり、回収されたりするのではないかと不安なときには、全行程を通して立ち会いをしたほうが安心です。
Q.作業当日前にやっておく作業はある?
A.基本的には「作業当日前にやっておく作業はない」といえます。
作業当日は、担当スタッフの指示に従いながら一緒に仕分けや片付けをすることもありますが、作業の工程や整理方法などはすべて業者が事前に計画しています。そのため、遺品整理の仕分けから回収、清掃までの全工程を遺品整理業者に依頼する場合は、作業当日までにやっておく作業はありません。
どのような作業工程で行い、どのように整理していくのかについては、事前に作成してもらう見積書や担当者との打ち合わせで確認しておきましょう。
尚、回収作業や買取りなど、部分的なサービスのみを業者に依頼するような場合は、作業当日までに自分たちで整理をして遺品を種類ごとに仕分けておく必要があります。このような場合には、「作業当日前までにやっておく作業はどんなことか」を業者によく確認しておきましょう。
遺品整理のよくあるQ&A(生前整理編)
遺品整理について調べていると「生前整理」という言葉を目にすることがあります。故人が亡くなったあとに遺族や保証人が行う遺品整理とは異なり、生前整理の多くは自分自身で物の仕分けや片付けを行います。
以下では、生前整理をするにあたり生じる疑問点をいくつかピックアップしています。業者によりサービス内容などが異なるため、詳しくは各業者にお問い合わせください。
Q.生前整理ってなに?
A.生前のうちから住居や物などの整理を行うことです。
時代の流れとともに便利なものが増えたのは良いことですが、逆に家の中に物が溢れすぎている、といった問題が生じています。一人暮らしをしている方の中には、遺品整理をしてくれる親族や知り合いが少ないことから生前整理を希望する方もいます。
大量の物を少しずつ処分し断捨離していくことは、今後の人生を必要なものだけでより良く生きていくためと考える方もいます。生前整理の定義はものを処分するだけでなく家族の負担にならないように持ち家を処分し、マンションやアパートに引っ越すことも生前整理の一つとして当てはまります。
Q.生前整理はいつから始める?
A.生前整理を始める時期は決まっていません。
誰がいつ、どのタイミングで生前整理を始めたとしても問題ではありませんが、生前整理を思い立ったら早いうちに始めることをおすすめします。
期限は決められていませんが、万が一体調を崩してしまい整理作業ができなくなったら大変です。また、定年退職や子供の独立などの節目をきっかけに、生前整理を行うのもいいでしょう。
Q.生前整理はどこに頼む?
A.遺品整理業者や行政書士といった専門家に依頼することができます。
生前整理は自分自身で行うことも可能です。要るもの、要らないものの仕分けのほか、事務手続きなどゆっくりと自分のペースで進めるのも一つの方法です。
体力的に自分一人ではやるには負担が多い方や、事務手続きを自分でやるには不安があるという方は、遺品整理業者や行政書士といった専門家に依頼してサポートしてもらうと安心です。
Q.エンディングノートは遺言書の代わりになる?
A.法的な拘束力がある「遺言書の代わりにはなりません」。
エンディングノートは生前整理に必要不可欠なアイテムです。自身の情報や要望、家族や知人へのメッセージ、財産に関わる情報、事務手続きに必要な情報などをエンディングノートに記入します。
いろいろな情報が書かれているエンディングノートですが、それ自体に法的拘束力はありません。そのため、相続に関わる情報や法律が関わる情報などは遺言書を作成して法的拘束力をもたせる必要があります。
Q.生前整理で仕分けた不用品の回収や買取は業者に頼める?
A.別途費用を支払うことで依頼できる場合があります。
生前整理サービスの主な業務内容は所持品の仕分けや整理、片付けです。業者によっては生前整理で仕分けた不用品の回収や買取を行っている業者もありますが、その場合は別途費用がかかります。
Q.生前整理と引越しを同時にできる?
A.新居へ荷物を運ぶサービスをしている業者もあります。
生前整理サービスを取り扱っている業者の中には、仕分けや整理、片付け、不用品回収、そして買取りのほか、引越し作業の代行も依頼できることがあります。この場合は、仕分けをして梱包したものを搬出し、新居に運んでもらうことができます。
それぞれの作業を別々に依頼するよりもセットプランで依頼したほうが安くなることがあるため、事前にサービス内容やセットプラン費用などについて確認しておくようにしましょう。